アッと@ホームページ

アッと納得!なるほどやさしいITコラム

第5回 今さら聞けない“できる”ビジネスメールの書き方(後編)

前回のコラムでは、ビジネスメールの重要性と、書き方の基本についてご紹介しました。ビジネスメールは、以下の8つの項目を含めることが基本でしたね。

① 件名は用件の概要を書く。
② 宛名は社名+フルネームで。役職もあるとより丁寧。
③ はじめの挨拶
④ 差出人の名乗り(社名+名前)。
⑤ まず、概要を記載。
⑥ 続けて詳細を記載。文章は30~35文字程度で改行。
⑦ 結びの挨拶
⑧ 署名

後編となる今回は、返信の作法と、「相手を不快にさせない」メールの書き方についてご紹介します。

返信の作法

相手から届いたメールに対して返信をするときは、以下のようなルールで返信をすると良いでしょう。

① 返信は24時間以内に。
② 「返信」ではなく「全員に返信」で。
③ 「全体引用」で経緯を残す。
④ 「部分引用」で漏れなく明確に回答。
⑤ 件名は基本的に書き換えない。

以下、詳細を説明していきます。

① 返信は24時間以内に。
日本ビジネスメール協会の「ビジネスメール実態調査2018」によると、7割を超える人が、「24時間以内」に返信が来ないと、遅いと感じるそうです。
返信に時間がかかる場合は、メールを受け取ったことだけでも一報を入れ、時間がかかる理由と、回答できる期日を明記しておきましょう。

(例)

~略~
お見積もりのご依頼をいただき、誠にありがとうございます。

メーカー側との価格調整に時間を要しますため、少しお時間を いただけますでしょうか。
3月20(火)中までにはお見積もりをお送り致します。

お待たせして申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。
~略~

② 「返信」ではなく「全員に返信」で。
メールを返信する際、使用しているメールソフトによって表示は異なる場合がありますが「返信」と「全員に返信」があり、どちらを使えばよいか迷う場合があります。
基本的には、「全員に返信」を選択すれば、Cc:に含まれている情報共有者も含めて返信が届きますので、「全員に返信」を使って返信するようにしてください。

③ 「全体引用」で経緯を残す。
「全員に返信」ボタンを押したあと、本文の下の方に付く”>”で始まる過去のやり取りが「全体引用」です。
使用しているメールソフトにより自動的に付与されることがほとんどですが、過去のやり取りを残しておくことで経緯が分かりやすくなりますので、できる限り残しておきましょう。

④ 「部分引用」で漏れなく明確に回答。
受信したメールに対して返信するとき、複数の質問に対して回答する場合は、「部分引用」をすることで、どの質問に対して回答しているのかを分かりやすくすることができます。
“>”で始まる行を全体引用の中からコピーして部分的に引用することで、複数の質問にも漏れなく明確に回答できます。

(例)

~略~

> お見積もりはいつ頃までにいただけますでしょうか。
3月20日(火)中までにはお送りいたします。

> また、内容についてお打ち合わせをお願いできますでしょうか。
> よろしければ、ご都合の良い日程をご連絡ください。
承知いたしました。日程は  3月22日(木)15時~16時 でお願い 致します。

以上、よろしくお願い致します。

~略~

⑤ 件名は基本的に書き換えない。
メールに返信する場合、どのメールに対する返信かを明確にするため、件名の先頭に付く”Re:”はそのままにしておき、件名は基本的に書き換えないようにしてください。
ただし、「Re:Re:Re:」のようになってしまう場合は、”Re:”を一つだけ残してあとの”Re:”は削除しても構いません。
また、用件が途中で明らかに変わった場合は、件名を書き換えても失礼には当たりません。

メールで相手を不快にさせないためには?

日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2018」によると、仕事上のメールで不快に感じたことのある人は、以下のような理由で不快に感じているそうです。

「質問に答えていない」がトップで、次いで「文章が失礼」、「文章が曖昧」、「文章が攻撃的」と続きます。 メールで相手を不快にさせないためには、これらの項目に気を付け、以下のような内容を考慮して書けば良いことになります。

① 質問には漏れなく明確に答える。
② 相手を気遣った文章にする。
③ 読みやすいレイアウトで、簡潔に書く。
④ 件名は分かりやすく。

① 質問には漏れなく明確に答える。
先ほど説明した部分引用を使って、漏れなく回答しましょう。その際、回答は曖昧にせず、具体的に書くことが重要です。

② 相手を気遣った文章にする。
相手からの素早い対応や気遣いに対して「ありがとうございます」とお礼を述べる、「大変恐縮ではございますが」、「お手数ですが」などのクッション言葉を添える、といった気遣いをすることで、気持ちよくメールをやり取りすることができます。

③ 読みやすいレイアウトで、簡潔に書く。
メールは一行あたり30~35文字で改行する、箇条書きで情報を整理する、ダラダラと長く書かずに切れるところで文章を切る、といったことに気を付けることで、読みやすいレイアウトになります。

④ 件名は分かりやすく。
件名は前編でも説明した通り、名前などではなく、本文の内容を一言で言い表したものにしましょう。

送信前のチェックポイント

メールを送信する前に今一度、以下のチェック項目について確認し、間違いがないか、漏れや失礼がないかを確認しましょう。

  • □ 宛先に誤りはないか
  • □ 宛名に誤りはないか
  • □ 必要なファイルを添付したか
  • □ 件名は具体的で分かりやすいか
  • □ 必要な情報が抜け落ちていないか
  • □ 内容に曖昧な点はないか
  • □ 余計なことを書いていないか
  • □ 誤字・脱字・変換ミスはないか
  • □ 読みやすいレイアウトになっているか
  • □ 押し付けや上から目線になっていないか
  • <返信の場合>
  • □ 引用に不備はないか
  • □ 相手の質問に的確に答えているか
  • □ 連絡が遅れていないか(遅れている場合はお詫びの一文を入れる)

以上、今回は、ビジネスメールの返信の作法と、相手を不快にさせないメールの書き方、送信前のチェックポイントについてご紹介しました。必要な情報を明確に、漏れなく無駄なく盛り込むことで、効率的でスピーディに仕事が進められます。

ビジネスメールでトラブルを招かないようにするためのコツは、「書くときは敏感に、読むときは大らかに」です。前回ご紹介した基本と併せて今回ご紹介した内容を意識して、“できる”ビジネスメールをどんどんビジネスに活用していきましょう!